2017.3.7(火)Inter FM「TERAOKA MUSIC」トークゲスト

寺岡:今日のトークトーク、お客様は平井堅さんです。こんばんは〜

堅:こんばんは〜。よろしくお願いします!

寺岡:実は前日武部聡志さんの還暦ライブで

堅:還暦ライブでねご一緒して

寺岡:ご一緒させて頂いて、そこでもうほとんど初めましてっていう感じだったんですけども、その還暦ライブの様相がねちょっと普通のライブと変わってまして、ステージの前に円卓が並んでまして、出演者もそこで見てて、プレゼンターが紹介するとその円卓から上がってくる、ちょっとアカデミー賞とかグラミー賞みたいな
感じで、我々基本3時間半ずっとあそこで見ていたという

堅:そうですよね。

寺岡:逆に言うと普通のイベントって出演者は楽屋にいるしかないじゃないですか。
あの角度で見れるっていうことが普段ないので、平井さんのパフォーマンスを目の当たりにして、あ〜説得力って、声と単純に声だけって言うのじゃなくて、声とそこのたたずまいだったり表情だったり、テレビとかそういうのだけだとほんとにわからないんだなと。立体的に見て、色んな人たちが入れ代わり立ち代わり歌う中で、もうみんな持ってかれてるこの感じ、たたずまいと声とに全部持ってかれてる感じをですね、目の当たりにさせていただきました。

堅:いやいやいや、とんでもないです。
でもね、やりずらいっていうか、皆さん間近で見てらして、見てる時はね楽しいけど、なんか最後にみんなで歌ったり、あんなに他の共演者の方とコミュニケートできるイベントはあまりないからすごく楽しかったですよね。

寺岡:楽しかったですよね。あれが逆に松任谷正隆さんていう方が旗を振ってるというのは大きいですよね。
あれが例えばテレビ局の演出の人だとかだと、ああいうミュージシャンシップみたいになるのは難しいかも

堅:正隆さんってこう言っちゃなんだけど怖いとかねよく噂で聞くけど、歯に着せぬ物言いの時もあるけれど、イベントを良くしようという思いから、結構スパルタっていうか色々言って下さって、そのおかげで普段アーティストさん!みたいな、よろしくお願いします!みたいなことを言われがちなんですけど、どんな大物の方、ユーミンさんとか久保田さんとかいらっしゃっても、わっと言ってくれるからすごい団結して

寺岡:あれびっくりしましたよね!

堅:ほんとにおもしろかったです。

寺岡:音楽界の蜷川幸雄とか、

堅:アハハハ(笑い)灰皿投げるとか

寺岡:灰皿投げる的。でもああいう経験てなかなかできないですし、ああいう還暦パーティーってねほんとにないですよね。

堅:感動しました。

寺岡:帰りがたいというか離れがたいなと思って、ハウスバンドの打ち上げにまで顔を出してしまって、呑んでたらなんと夜中に、平井さんとさかいゆう君が二人でやってきて、

堅:僕も押しちゃってバタバタっとフォーラムを出て、帰り際、なんかすごいよかったな〜と思ってなんか家に帰るのが嫌で、歌いたくなってなんかさかいゆう君の連絡先とか知らなかったんですけど、レコード会社の方に聞いて、さかいゆうくんの歌も聴きたいなと思って、

寺岡:なんでそこ、さかいゆう君を指名だったんですか?

堅:もちろん好きなんですけど、歌が好きっていうのもありますけど、レコード会社が同じで面識もあったんですけど、レコード会社のスタッフに聞いて連絡先聞いて、そしたらすぐ来てくれて、それですぐそばで打ち上げしてますよって言われて、それでちょっと行ったんですよ

寺岡:そうだったんですか!

堅:そいじゃ呼人さんもいらして、あ〜っつって

寺岡:僕もだから、来れるなら来ますか?くらいの感じだったんですけど、そういえばさかい君と言えばちょっとのび太に似てるなというところで、めちゃな振りをしましたね。強引に!

堅:強引に

寺岡:ちょっと音楽会ののび太君ってことで

先週リリースしたばかりのね、ニューシングルをおかけしたいんですけど、毎週この番組でゲストの方にテーマを持って来ていただくんですけども、このテーマってすごいなって、なかなか思いつかないテーマだなと思って

堅:すっごい考えたんですよ。このテーマに行きつくまでも結構考えました

寺岡:平井さんが考えてくれたのはですね、歌い出しから持って行かれる曲(頭サビの曲以外で)

堅:サビ頭の曲だとそりゃそうだだから、除いて

寺岡:そりゃそうですよね。一体どんな曲を平井さんが選んでくれたのか気になるところなんですが、その前に先週リリースされたばかりのニューシングル「僕の心をつくってよ」のカップリング聴きたいんですけども
この曲も長く語りたいんですけども、僕はこの曲の資料を頂いて、「YUMING」っていったらあのユーミンかな?って、曲を聴いたらまさに、その♪ユーミンってところから始まるじゃないですか。
まさに、この歌い出しから持ってかれる曲っていう、しかもその、ある存命の方のね

堅:存命のね

寺岡:存命の方の曲をこういうふうに形にするっていうところがすごくびっくりして
まさに、僕なんかもユーミンに持って行かれた口だったので

堅:だから武部さんのイベントの時に、ユーミンの話されてたから、あ!これはユーミンフリークがいると思って、大丈夫かな?と思って、それでお会いした時にユーミンの話されたんで。

寺岡:そうなんです。
僕もイベントの時におっしゃってましたけど、好き過ぎて未だに緊張しますし、

堅:そう、僕も全然話せないんですよ

寺岡:話せないんですよね。リハーサルであ〜ユーミンだ!ってなっちゃうんですよね!

堅:なっちゃいますね

寺岡:なるんでしょうね。

堅:でもそれでいいと思います。ユーミンに慣れたくないですもんね。

寺岡:そうですよね〜

堅:あ〜ユーミン元気?みたいになりたくない

寺岡:クレイジーケンバンドのケンさんが、未だに永ちゃん、矢沢永吉さんに会いたくないんらしいんですよ。

堅:わかります。憧れは憧れのままっていうね

寺岡:だからそういう意味でユーミンはいつまでもユーミンなんですけど、ユーミンのことをこんな風に歌にしたセンスも含めて、僕は一番引っかかったくらい大好きな曲なんですけども
その曲を聴きたいと思いますけども、アレンジはまさに、

堅:はい、まさに

寺岡:武部聡志さん

堅:もうもっともユーミンのそばでピアノを弾いてる方だなと思ってお願いしたんですけど

寺岡:曲のブリッジのとこでちょうどね、サーフ&スノーのフレーズが出てくる感じも含めユーミン愛が詰まった曲だと思います。
じゃあ、平井さんの方から曲紹介してください。

堅:「YUMING」聴いてください。

♪YUMING

寺岡:お送りしている曲は、平井堅さんで「YUMING」でした。
曲を聴きながら曲作りの話なんかもしてたんですけど、僕自身も曲作る時詩が先っていうこと多くて、やっぱりどう考えても言葉が一番のアレンジだなと思うんですよ
今回の「僕の心をつくってよ」もそうなんですけども、無駄なアレンジないじゃないですか。

堅:そうですね

寺岡:やっぱりなんでかっていうと、言葉が最高のアレンジっていうのがあって、そこにこういう伴奏が必要だなとか、ここに弦とかこういうブラスが必要っていうのはあると思うんですけど、でも、最初オケだけだったら、全然本末転倒になるような気がしてて、良く言ってるんですけどね歌詞こそ最高のアレンジって。

堅:そうですね〜

寺岡:今日選んで頂いた曲たちもおそらく、詩先というよりも、歌い出しから持って行かれるというくらい、言葉の使い方を気にして曲を聴いているんだと思うんですけども、
早速平井堅さんのテーマ「歌い出しから持って行かれる曲(頭サビの曲以外で)ということで、1曲目に選んで頂いた曲が宇多田ヒカルさんの「花束を君に」
ちなみに、そういう最新のヒット曲みたいなのって聴かれるんですか?

堅:もちろん聴きますよ!

寺岡:それって、意識的に聴かれるんですか?無意識に?

堅:好きですね〜。でもオタクってことはないけどJ-POP好きなので、どうしても気になって聴いちゃうし

寺岡:だから朝までカラオケしちゃうんですね

堅:そうですね。カラオケも好きだし、ま歌好きですからね。

寺岡:で、この花束を君に、歌い出しから持ってかれる曲ということなんですが、どういうところが?

堅:これね、宇多田さんの歌い出しが、ちょっとキーわかんないんですけど、「ふだんから〜」っていう歌い出しなんですね。
最初に聴いた時に、花束を君にがタイトルでそのサビ頭の「花束を君に送ろう〜」なんだけど、「ふだんから〜」のあのメロディと歌詞が、いきなり「普段から?」って、え?何?ってこっから何になるんだろ?ってすごい気になったんです。初めて聴いたときに。
で、すごい強い歌い出しだなと最初に聴いた時に思って

寺岡:なるほどなるほど

堅:で、うちの母が、そんなにもう今75でそんなJ-POPとか知らない聴かない人なんですけど、こないだ実家に帰った時に、「ふだんから〜」って鼻歌で歌ってたんですね。
さっすが宇多田ヒカルだなと思ったんですよ。
うちの母をも口ずさませる。もちろん朝ドラとかも見てたと思うんですけど、「宇多田ヒカル好きなん?」って聞いたら、「この曲はようテレビで聴いててただ口をついて出てん」って言って、うちの母親を口をついて出させるってやっぱすごい!って
しかもその「花束を〜」ってサビもいいけど、出だし歌うんだなと思って

寺岡:なるほど〜

堅:「ふだんから〜 ふふふふふ〜♪」ってそっからふふふだったんですね。
ふだんからってすごい強いなって

寺岡:その歌も無意識のうちに出てくるんでしょうね
でも、歌詞というルールにはない歌い出しっていうことに意識はあったのかもしれないですしね

堅:それで、宇多田ヒカルさんって意図的に変な言葉を入れるじゃないですか。歌詞にふさわしくないような。常識的には。なんか、秋のドラマ再放送とか、急にぱっと何?っていうような言葉を特長的な言葉を入れるのが得意なんだと思うんですけど、やっぱ宇多田節を「ふだんから」に妙に感じるんです。

寺岡:なるほど、じゃ、その曲聴いてみたいと思います。曲紹介をしてください。

堅:宇多田ヒカルさんで「花束を君に」

♪花束を君に

寺岡:お送りしてる曲は「花束を君に」でした。
確かに、「ふだんから〜」が今頭から離れませんけど

堅:なんか癖になるっていうか

寺岡:2曲目に行きたいと思います
2曲目に平井堅さんが選んでくれたのが、aikoさんの「信号」
こちらも2016年のアルバムからということで、

堅:aikoちゃんは好きですね〜

寺岡:aikoちゃんこそ詩先の人らしいですよね。

堅:そうなんですね。aikoちゃんはば〜っと詩を書いて、それをピアノの上に乗っけて見ながら、ピアノ弾きながら作るって

寺岡:ね〜文節が次の小説にまたがっても不思議な歌詞の進行とかも平気だみたいな

堅:独特ですよね。彼女以外に彼女の曲書けないって感じがすごいな〜って思います。

寺岡:この曲「信号」なんですけど、歌い出しから持ってかれるポイントっていうのはどんなところなんですか?

堅:aikoちゃんは割とAメロ的に業界では歌い出しから変なとこに行く曲が多い、ちょっと持ってかれる曲が多いんですけど、その中でもこの曲を初めて聴いた時に、この曲CMソングだったんですね。某時計の。サビが「愛なんて〜知らない〜」っていうサビなんですけど、あ〜いい曲だなと思ってて、そっからどんなAメロなのかな?と思って楽しみにしてて、CDアルバムを聴いた時に、まあなんか、想像全くしてないAメロだったんですね。
そのAメロが「明日もゆ〜き〜が降るかな?♪」って、また変な半音のとこ行く、まあこんな歌い出し、aiko押しだと思うんですけど、何でこんな歌い出しなんだろ?っていうことで度胆抜かれたっていうすごいな〜!と思った曲です。

寺岡:ちょっとこれは聴いてみたいですね。

堅:イントロからずっと聞いててもこのAメロは想像つかないんですよ。

寺岡:なるほど!その辺もじゃあポイントなのでちょっと聴いてもらいたいですね。

堅:aikoさんで「信号」

♪aiko「信号」

寺岡:はいお送りしてるのはaikoさんで「信号」でした。
全体的に信号って感じがしないくらい、スクランブル交差点な感じがしますね。

堅:色んなストラップ隠されてる感じがしますよね

寺岡:すごい才能だと思いますけども
普段は洋楽と邦楽どんな感じなんですか?バランス

堅:これね、ほんと痛いとこつかれましたが、洋楽好きなんですけど、ほんと疎いです。

寺岡:例えば日本だとするじゃないですか。日本の最近のものと懐かしいものとではどれくらいの割合なんですか?

堅:半々くらいかな?でも、繰り返し繰り返し聴いてるものはあまり変わらない
それこそ、ユーミンとかそうですけど。新しいものは、気になったものはチェックするけど、半々くらいかな?

寺岡:でも確かに、昔のものって刷り込まれたものですもんね。
もうひとつ自分の中に入ってるんで時々引っ張り出すみたいなとこありますけどね。

堅:そうですね。はい。

寺岡:今の日本の音楽も第一線で活躍されてる上に、そういうものがずっと好きでいられる心づもり?なんかすごいなと思いますよ。逆に

堅:でも、たぶんミーハーだからかもしれない

寺岡:そんな感じ全然イメージないですけど。そうなんですか。

堅:いや、ミーハーですね

寺岡:じゃあその、さかいゆう君だって新しい人達来てもお〜って感じにすぐなれちゃう

堅:感じありますあります
語弊あるかもしれないですけど、売れてる人好きっていう、変な意味じゃないくて、ていうか売れてるには絶対理由があるはずだから、必ずいいところがあるはずだから、もちろん売れてても分かんない人いっぱいいるけど、やっぱりいいなって単純に思っちゃうんですね

寺岡:よくカバーのイベントとかされるじゃないですか
そういう選曲もたとえば古いものから、何か最近これ聴いてどうしても歌いたいんだよねみたいな感じも選曲幅広いんですか?

堅:そうですね。それは敢えてちょっと驚かしたいみたいなとこもあって、わざと、わざとじゃないけど、きゃりーぱみゅぱみゅ歌ってみたりAKB歌ってみたりっていうのはちょっとそのサプライズ的なもくろみもありますけど。

寺岡:そりゃ〜朝5時6時までカラオケ行っちゃいますよね。
役に立ってますよね。

堅:立ってます立ってます。カラオケって何がいいって、人が歌うのは自分が選曲しないから、あ!いいなって思うし、歌詞が字幕で出るからいい歌詞だなって文字でもわかるし、アウトプットかインプットか他の人からもらえるから自分で調べた結局自分で選んじゃってるから、そういう意味でもいい

寺岡:なるほど。いっぱい入って来るんですね
例えば普段東京にいるときにも、割と積極的に呑みに行って歌うみたいな感じなんですか?

堅:そうですね。好きだし。色んな世代の人と行くんですけど、割と下の子と行くことが多いかな?
10違ったら相当違いますよね。僕は80年代とかアイドルの曲が好きだったけど、90年代もちろん聴いてたけど、10下の子と行くともっと90年代を如実に青春時代を没頭してるからすごい詳しいんですよね

寺岡:その中にまたいい曲あったりするわけですよね。

堅:そうですね。

堅:最近はそんなに行ってないけど、よくコンサートの後にカラオケ行ってました。

寺岡:え〜!すごい!ほんとに好きなんですね。

堅:それで無責任に歌いたくなるんですよね。コンサートだと緊張してるから

寺岡:歌詞間違えたりだとか

堅:ピッチ外れても声裏返ったりしてもいいっていう、そういう場でバランスとってる時はありました。

寺岡:逆にね
さてでは、3曲目に行きたいと思います。3曲目に平井さんが選んでくれたのが、ちあきなおみさんの「喝采」

堅:これはみんなうなると思うんですけどね。

寺岡:なるほどね〜

堅:もう皆さんがうなる名曲中の名曲ですけど、曲全体のあの映画のようなストーリーもそうなんですけど、「いつものように幕が開き」ってあの歌詞と「いつものよう〜にまく〜があ〜き♪」っておいしいとこ全部詰まってる、超メロディアスだし、あの旋律、その後もすごい美メロだけど、そこでおいしいとこ全部詰まってるみたいな

寺岡:そうですね〜。僕もその子供の頃、やっぱりさっきの宇多田さんの「ふだんから〜」でしたっけと同じように「あれは3年前〜」」っていう。あれはやっぱり子供の頃3年前なんてよくわかんないはずなのに3年前ってやたら歌ってましたもんね。

堅:僕ね生まれた時の曲なんです。「喝采」ゼロ歳だからあんまりわかんないんですけど、物心ついてから聴いて、ちあきなおみさんのあのすごい歌力ともうすごいですよね。

寺岡:ちょっと僕も聴くの久々なんで聴くの楽しみにしています。

堅:ちあきなおみさんで「喝采」

♪ちあきなおみ「喝采」

寺岡:すごい歌詞とドラマチックな、ひとつの映画見た感じになっちゃいますよね。

堅:完璧ですよね。詩も曲も声も3つが超1級という

寺岡:しかもこういう曲がその年のレコード大賞的なヒット曲になるわけですからね
いや〜なんか羨ましいなって思いますよけど

堅:なんか頑張んなきゃいけないなと思いますけどね

寺岡:なんか一周二周してこういう時代になる気もするしなるようにしていかなきゃいけないなと思いますしね

4曲目に行きます。4曲目に選んでくれたのがJames Taylorの「Your Smiling Face」
こちらは、1997年のアルバム「JT」からの白いジャケット。こちらは

堅:正直こちらはすけべ心っていうか、1曲くらい洋楽入れないとな。Inter FMだしみたいなのも正直あるんですけど、ジェイムズテーラーはすごい好きで、コンサ
ートも行きましたし大好きな人なんですけども、この「Your Smiling Face」は出だし、英語だからあんまわかんないですけど、「ラララララララララララララ〜because I love you♪」っていうもう歌い出しからこう、ウキウキするあのメロディラインがすっごい好きで、一番、もちろん「You Got A Friend」とかも好きですけど、彼の歌唱曲の中で一番好きな曲で

寺岡:確かに、このアルバムのポップさとか、ポップさだけど元々持ってるフォーキーなクロスオーバーしてる感じがいいですよね。

堅:そうですね。ちょっとJ-POPっぽいくらいキャッチーな歌い出しだなと思って

寺岡:時代的にもAORの時代だからそういうものとのミックスもあったかもしれないですね。

堅:メロディアスですよね

♪James Taylor「Your Smiling Face」

寺岡:いや〜素晴らしい!メロディアスな曲でした。やっぱ演奏人素晴らしいですよね。

堅:素晴らしい!単純に生演奏ってかっこいいなって

寺岡:この1970年代終わりから1980年代のミュージシャンの熟練ぶりっていったら
皆さんは当時20代か30代くらいなわけですもんね。演奏している人たちが。

堅:ねえ、みんな還暦くらいな感じがしますけど

寺岡:この枯れた感じのグルーヴっていうのがね

堅:このあと、80年代になってシンセサイザーとか打ち込みがば〜っと台頭してくる前だからすごいいいのかもしれないですよね

寺岡:レコーディング技術と演奏技術が一番のってる時代だと思いますけどね。

それじゃ、平井さんが選んでくれた5曲目はMr.Childrenの「CANDY」
こちらはどういうところから歌い出しから

堅:僕ねこの5曲すごい迷って、5曲目もいっぱい候補あってどれにしようってすごい悩んで、でミスチルにこの曲にしたんですけども
「あきらめよと諭す回路に」って歌い出しなんですよ確か。この歌すごいせつないラブソングなんですけど。それだ聴くとわからないじゃないですか。せつない恋の歌って、片思いの歌なんですけど
曲で聴くと「あきらめよ〜とさと〜すかいろに〜♪」って歌い出しなんですけど、もうそのね「さと〜すかいろに〜」の2個めのコードが既にせつないんです。
そこで、これ絶対せつない歌だってわかる感じがすごい好きで
この曲、ミスチルで一番カラオケで歌うかも

寺岡:え〜そうなんですね。

堅:歌詞がもうすごいよくって好きな曲なんです

寺岡:色んな曲たちを普通に聴いている感じがまず僕なんかはびっくりしたんですけど。
そういう歌い出しに注目しながらみなさん聴いてもらいたいと思います。

♪Mr.Children「CANDY」

寺岡:もう聴いてるだけでうるっとしてしまうと平井さん曲を聴きながらおっしゃってましたけども。今度イベントでカバーで聴きたいなって感じがしますけども

堅:歌ってみたいですね〜

寺岡:その前にカラオケにご一緒させてもらってそれを聴こうかと(笑い)

堅:是非!是非!

寺岡:今日選んで頂いた平井さんの曲たちの愛といいますか音楽愛というものを非常に僕は感じて、歌い出しもなんですけど、その歌自体に持って行かれてる曲たちだと思うんですけども
逆にこうして改めて並べて聴いてみてどうでした?

堅:やっぱいいし、好きだし全部。今呼人さんがおっしゃったように、たかが歌い出しなんですけど、歌い出し好きな曲って全体が好き、たぶんサビって大事なんだけど、歌い出しがすごいいいと、サビがなんか、歌い出しの方がキャッチーだったりしても好きな曲になるっていうか、結構大事だなと思いながら聴いてました。

寺岡:はい、今日は渾身の選曲どうもありがとうございました!

堅:我ながらね渾身でした!ほんとに

寺岡:アニメ主題歌を手掛けるのは初めてとはちょっと意外だったんですけども

堅:初めてなんですね

寺岡:こういう時っていうのはある程度完成品を見てから書くんですか?

堅:お話しいただいた時はまだ完成してなくって、映像はなくって脚本を頂いてそれを読んで

寺岡:そうなんですか
こういう曲の解釈っていうかアニメだからこうだろっていう作る側の解釈ってすごく色んなパターンがあると思うんですけど
ドラえもんて40年くらい常に子供たちのそばにいるキャラクターを、こういう歌詞に持っていくって凄いなと思ったんですけど
トイストーリーでいうと、いつか子供が大人になっていくし、大人になった人のちょっとせつない子供時代を振り返ったようなせつないような、歌詞と言うよりは肌触りとして感じたんですけど、どんな風に曲を作って行かれたんですか?

堅:いや〜そんなにわかんないんですけど、ただドラえもんっていうイメージやアニメーションの前向きな未来は希望で満ちているよとか、みんな友達とか、もちろんそういうのが嫌ってわけじゃなくて、そういう前向きでほがらかな曲っていうとこからは、ちょっと自分は逸脱したいっていうか違う手で行きたいなと思って、清廉潔白なものではなく、もちろんドラえもんとのび太にも色んな感情があるように、みんなが大好きなドラえもんというものに、敢えて、君のずるさを探してよとか、僕のダメさを叱ってよとか、ネガティブな言葉を言う方が引っかかるって言うか響くんじゃないかな?と思って。
それはトライでもあるんですけど、クライアント先が喜ばないとか顔色伺っちゃうところも正直あるんですけども、それに負けてちゃいけないなと。喧嘩したわけじゃないんですけど、そういう不似合いな言葉とか、何か綺麗なだけじゃないものにしたいなと思って

寺岡:僕の手塚治虫が好きなんですけど、手塚治虫の雨降り小僧っていう名作があるんですけど、それを思い出すんですよね
ちっちゃいときに、おばけと一緒にかくれんぼするんですけど、そのままかくれんぼの途中で主人公は家に帰っちゃうんです
そのまんま忘れて大人になっちゃうんですよ
大人になって家族もできてお父さんになって、たまたまその道を家族でドライブしているときに、たまたまそのかくれんぼしたところを通った時に、あ!子供の頃かくれんぼしたまま帰っちゃったと思ってお父さんがそこに行くんですよ

堅:ちょっと鳥肌立っちゃった

寺岡:そこに行くとまだ消えそうな雨降り小僧が待ってるっていうね
そういう肌触り。アニメだったり漫画だったり、大人になったからこそちょっとキュンとくるような感じをしました。

堅:嬉しいです。ありがとうございます。

寺岡:アレンジプロデュースが亀田さんなんですけど
すっごいシンプルな、これいつ盛り上がってくるんだろうと思ったら最後までこの押す感じ
これは平井さんのリクエストと言いますか

堅:そうですね。ほんとに、亀田さんにはいいのかな?っていうか、亀田さんにお願いしてるのにベースも弾かせないし、ほぼピアノ1本で突き進むっていう。亀田さんも最初え?って驚いてらっしゃいましたけど。
亀田さんともほんと色んな作品ご一緒してそれを否定してるわけでもなくて、すごく誇りに思ってるんだけども、やっぱなんか新しいことにトライしたくて、音数がどんどん入ってきて音圧が厚くなって行って盛り上げていくっていうのももちろん好きなんだけども、なんか今回ピアノのループ感と静粛なまま神聖なものにしたかったっていうのを亀田さんに言って、最初驚いてたけど、だったら、僕はちょっと弱気に、ちょっとアミエントっぽい鳴り物とかとピアノってどうでうか?とかそういうことを言ってたんですけど、亀田さんがだったらいらない、打ち込みとか鳴り物も一切ない方がいいんじゃない?っておっしゃって、じゃあちょっと頑張ってみましょうかと。入れたくなるんですけどね。正直。

寺岡:エンディングでこれがどういう風に最後に、ピアノだけのピアノと歌、基本二つだけがどういう風に響くのかって楽しみなんですけどね

堅:僕も映画館でどう響くのか聴いてみたいです

寺岡:そしてカップリングには先ほどの「YUMING」
そして手嶌葵さんをゲストコーラスに迎えたバラード「ほっ」が収録されています。
まあ、ほんとにこの曲も素晴らしい曲ですね〜
もう全部アルバムに入れてほしいなと思いますけど
そして、4月には東京と大阪でスペシャルライブがあります。
こちらが4月18日19日日本武道館で
こちらはどんな感じのライブになりそうですか?

堅:まだ全然リハも入ってないんでわかんないんですけど、わりとずっとKen's Barっていう座ってアコースティックでしっとり歌うコンサートをずっとやってて、久しぶりにバンドを引っ提げて大所帯で、基本微動だにせずに歌うものが多いんですけども、ちょっと微妙に右に左にぎこちなく動きますんで、ちょっと仕掛けも考えておりますんで、楽しみにいらしてください。

寺岡:是非是非楽しみにしております
ということで最後にニューシングルドラえもんの主題歌ですけど、「僕の心をつくってよ」をお送りしたいと思います。
この曲を聴きながらお別れと言う感じですかね。

堅:僕の心をつくってよ、聴いてください。ありがとうございました。